■あ行
うめがわちゅうべえ【梅川忠兵衛】

 舞踊ではポピュラーな演目。もとは近松門左衛門の浄瑠璃「冥土の飛脚(めいどのひきゃく)」から来たもの。大坂(「大阪」の昔の呼び名)の飛脚屋・亀屋の忠兵衛は新町の遊女・梅川を身請けしようとして、手付金五十両は丹波屋八右衛門から借りて渡していたものの、残りの金ができないでいた。そんなある日、江戸から届いた為替三百両を抱えて梅川のもとに赴こうとする忠兵衛の前に、丹波屋が現れる。丹波屋も梅川を身請けしようと思っていたのだ。丹波屋とのやりとりの中、その悪態にカッとなった忠兵衛は、思わず運ばなくてはならない三百両の封を切ってしまう。その金で梅川の身請けが決まったものの、それは公金であり横領による死罪は必至。二人は死を覚悟して忠兵衛の故郷・大和国新口村へ落ちのびる。

おかじ【お梶】

 舞踊でよく上演される演目。もとは菊池寛の戯曲「藤十郎の恋」より。坂田藤十郎は、新作狂言での密夫の所作を苦心する。ある日藤十郎は、座付茶屋・宗清の妻・お梶に20年来の恋心を打ち明け、お梶はその話に真剣に聞き入る。やがて舞台は初日を迎えるが、楽屋では藤十郎が狂言の稽古に、人の女房に偽りの恋を仕掛けたと噂が立つ。お梶は、「偽りにもせよ、藤十郎様の恋の相手に一度でもなれば、女子に生まれた本望」と言い、自らの命を絶つ。

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