■は行


・ ハウリング
マイクとスピーカーを近づけると、ウォーン、とかキーンといった音が出ること。「ハウる」と言ったりする。犬の遠吠え(ハウリング)に似た音が出ることからこう言われる。

・ はける
人物やセット、小道具などが、舞台や画面からいなくなること、あるいは見えなくなること。「ハケる」「ハカす」などという。「わらう」と同じ意味。

・ 長谷川伸【はせがわしん】
明治18(1885)年〜昭和38(1963)年。『一本刀土俵入り』『沓掛時次郎』『瞼の母』『雪の渡り鳥』など、大衆演劇の定番芝居としてよく上演される股旅ものの脚本で知られる大衆文学作家。神奈川県横浜市出身。新聞記者を経て、『天正殺人鬼』で菊池寛に認められ、小説家になる。昭和に入ってからは脚本にも筆を染め、股旅物の創始者といわれる。

・ 初舞台【はつぶたい】
その役者が初めて出演する舞台のこと。役者の子供の場合は、生後まもなく「抱き子」として舞台を踏むなど、物心つく前に初舞台を経験することが多く、そういう場合は「初舞台0歳」と表記される。だが役者によっては、物心ついてからの最初の舞台を「初舞台」としている場合もある。

・ はねる【はねる】
終演のこと。「打ち出し」ともいう。大衆演劇では終演直後に役者がお客さんを会場から見送る、「送り出し」と呼ばれるファンサービスがつきものである。

・ 張りぼて【はりぼて】
場面転換などの舞台操作や演技表現のため、本物に似せて軽く作った大道具・小道具。張り子、紙の型抜きや竹組などの土台に、紙や布を張り重ねて作る。今は発泡スチロール、ウレタンなどの新素材を使用することもある。




・ 東【ひがし】
客席から舞台に向かって右手。つまり上手側のこと。

・ 額割り【ひたいわり】
仇(かたき)役が主役の顔を傷つけ、侮辱する演技。たいていはその後、主役が反撃することとなっている。

・ 引っ込み【ひっこみ】
役者が舞台から退場すること。その反対は「出(で)」と呼ばれる。引っ込みの間際にはヤマをあげたり、さまざまな演技をして見せ場を作るので、役者にとってはとても大切な場面である。 

・ 引き幕【ひきまく】
舞台に設営される開閉式の幕を総称して「引き幕」と呼ぶ。引き幕にはその用途によってさまざまな名称があるが、多くは舞台全体を観客の視線から隠すという目的のために使われる。




・ ファミリー劇団
【ふぁみりーげきだん】
家族中心の劇団のこと。大衆演劇の劇団の多くは、家族が基本となって構成されている。たとえば、座長・両親・妻・子供・兄弟が舞台に立ち、あるいは裏方を務めるというパターンで、一座の平均座員数は13人くらいなので、座長の親族が半数近くを占めることになる。つまり、大衆劇団の大半はファミリー劇団であると言える。日替わりの演目で、毎日公演し続ける大衆演劇の劇団では、何よりもチームワークが要求されるが、顔色一つで気心が通じ合い、遠慮せずにお互い何でも言い合える家族が軸なので、一座の運営はスムーズに運ぶ。さらに血縁関係のない座員たちとも、一年365日、文字通り寝食をともにし、苦楽を分かち合いながら過ごすので、一座そのものが家族のようなものだともいえる。

・ 老け役【ふけやく】
老人役のこと。時代人情劇の多い大衆演劇の劇団にとってはなくてはならない存在である。また老け役の演技次第で、その芝居が締まるか締まらないかが決まるともいえる、重要な役どころでもある。

・ 藤間流【ふじまりゅう】
日本舞踊の5大流派(花柳流・若柳流・坂東流・藤間流・西川流)のひとつ。宝永年間(1704〜1711年)に初世藤間勘兵衛が創始。勘十郎家(茅場町の藤間)と勘右衛門家(浜町の藤間)とがある。男性的な荒く太い、きっかりとした直線と、飄逸(ひょういつ=のびのびした)な曲線とを併用した振付が特徴。歌舞伎役者には藤間姓が多く、その流れで大衆演劇の舞踊も、藤間流から来ている場合が多い。

・ 舞台袖【ぶたいそで】
観客席からは見えない舞台の下手、上手の空間のこと。「ふところ」とも呼ばれている。

・ ぶっ返り【ぶっかえり】 
隠していた本性を現わすなど、役の性格が変わったことを見た目にも分かりやすく表現するための演出手法。衣装の上半分が二重になった特別な衣装が用いられる。着ていた衣装の肩、袖(そで)、襟(えり)の部分を止めていた糸を引き抜き、衣装の上半分をパッと下に垂らすと、瞬時にまったく別の衣装に替わったように見える仕掛け。正体にふさわしい色や絵柄の衣装となり、実に見事。「肩切り」ともいう。

・ 振り分け【ふりわけ】 
2つに分けてひもで結び、肩に担ぐ手荷物のこと。「振り分け荷物」ともいう。股旅ものの芝居で三度笠をかぶった旅人役の役者がよく担いでいるのがこれ。

・ 舞踊劇【ぶようげき】
舞台の天井のことで、簀の子張り(関西地方では昔は竹の格子組)になっているところから来た名称。簀の子には吊物昇降装置の一部が設置されている。また、簀の子の下に仮設の吊物などを設置する作業床を持つ形式の簀の子もあり、それを「二重簀の子」という。

・ 振り【ふり】
舞踊用語で、動作のことを指す。「所作」ともいう。

・ 舞踊劇【ぶようげき】
ショーの中で、芝居仕立ての長いものをいう。定番の演目としては『梅川忠兵衛』『明治一代女』あたりがよく上演される。




・ ペンライト
万年筆型懐中電灯。ショーの歌の時間などにファンが振って場を盛り上げる。お客が振る左右の向きがそろっていると一体感が出て、見た目にもきれい。



・ 本花道【ほんはなみち】
舞台上手側に仮設される「仮花道」(かりはなみち)に対する呼び名で、舞台下手側の本来の「花道」のこと。

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